ロブ・ゾンビ・リスペクト
さて、色々なことを行いながらも、私の魂はロブ・ゾンビにしっかと搦捕られていたのである。毎週の習慣で、レンタル屋さんに行って、うっかりロブ・ゾンビ監督作品をまとめてレンタルしてしまったのである。
よせばいいのに(笑)。
たしかに私の理性の声はそう言った。
ひょっとしたら、それは伊香川の断末魔の叫びであったのかも知れない。
よせばいいのに。
彼の監督作品が、ホラー映画をよく知っていれば楽しめるらしいけれども、
えらく悪趣味でやりすぎで暴力的で、ぶっちゃけむなくそ悪くなることは知っていたはずなのに。
所詮は文学少女の成れの果ての脆弱な「美意識」など、笑わせるんじゃねえ糞婆とばかりに鼻息で吹き飛ばされるような代物なのである。
わかってて(何故かというと一度見たからである)またレンタルしてくるってどういうMよ自分(笑)。
そんでもって、なんか泣いちゃうってなによ自分(笑)。
まあ、マーダーライドショウ2は未見だったけどね。
でもって、最後のシーンがいかにも「俺たちに明日はない」的で、
あれは自分にとってひとつのツボだから、やられたとしか言いようがないんだけどね。
まー、なんにしても、あの、地平線が見渡せて延々平たい大地という風景がキモイ。
私には鬼門である。
多くのアメリカ映画、多くのロードムービーが自分にとって「キモイ」のは、
あの風景の所為である。
キモイというのは嘘だ。不安になるのである。広所不安症である。
だだっぴろい場所に延々一本道ってどんな拷問だよ(笑)。
ほんでもって、むっさいばっちい男ん中に、一人でもかわいいねえちゃんがいたら、けっこうもつんだなあって感心して、うちんちにも一人くらいかわいいねえちゃん配しておけばよかったなあとか思っていたら、
歯が痛くなった。
正確に言うと、口が開かなくなった。
一週間、見ては「もうだめだ」「これ以上は付き合えん」「いや、でも、ロブ・ゾンビの作品だし」とかがんばったあげくに、これである。
きょうびの歯医者はすぐ診療してなんてくれない。
数日待ちである。
数日間、痛え痛えよ、と呟きながら、ホラー映画を観ていたのである。
いよいよ歯医者に行くために家を出、歩を進め、診療台に上がる瞬間の恐怖たるやいかばかりか。
「はい、では、口あけてくださーい」
「い……いたくて、開かないです」
「……」
歯医者さんのひとたち、すんません。
あなたがたは、みなしんせつで、清潔で、的確に仕事しました。
私が、異様におびえていただけなのでつ(笑)。
この瞬間にも、あのドラゴンボールのカレンダーが、おっそろしいヘビーメタル的なものに変わって、ドクターサタンが私の口におっそろしい器具を突っ込むんじゃないだろうかと、待っている間いらん心配してしまうほど、怯えていたのです。
だって、あれですよ? 抵抗不能な状態でアホみたいに口開けるんですよ?
でも、今回は「これ以上痛くて開けられませんー」だったので、
ちょっと今までと話違ったけど(笑)。
清潔で可愛い(であろう)女医さんに、口んなか色々つつかれて、
私はそんなことを考えていました。
「い、いたい……ですぅ」「あ、ごめんなさいね」
「もう、口開けてらんないですう」「わかりましたー」
……なんて優しいやりとり。
「あらあ、これ、痛いのー? じゃあ、これはどうかしらー、ほほほほほ」
なんてドミナ様じゃなくって、ほんとうによかった。
しばらく歯医者さんに通う模様。
十数年ぶりなのに、虫歯はナシってちょっとえらいぞ自分(笑)。
でも、やっぱりの顎関節症。
……いっつもミック・ジャガー見て「いいなあ、口でっかくてー」って思うくらい、私の口はちっちゃい。
歯が全部生い揃えることができないくらいちっちゃいんだもん、しょーがないよね。
でもって、明日が返却期限なので、今日もおっそろしいホラー映画の続きを
見ているわけである。
……そのうち伊香川がマッドサイエンティストになって戻ってきたらどうしよう(笑)。





